化学プラント排水配管の更新・耐食化(北九州)|永和工業が調査〜施工〜保守まで対応2025.08.25

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施工事例・技術解説

化学プラント向け排水処理設備配管(北九州) — 永和工業のSS+PVC/FRPハイブリッド施工事例

化学プラントの排水には強酸・強アルカリ・有機溶媒・塩類など過酷な条件が含まれます。北九州を拠点に活動する永和工業株式会社は、現地分析に基づく材質設計と高品質な施工で、環境負荷低減と長寿命化を両立する配管更新を実現しました。本稿では、施工・検査・保守まで、実務的なノウハウを詳細に解説します。

北九州の化学プラント排水処理設備配管施工事例|永和工業のSS+PVCライニング施工 北九州化学プラント排水処理設備配管全景|永和工業施工の配管ルートと支持構造
写真:化学プラントの排水処理設備配管施工(永和工業実績)。内面処理・接合部の処理・支持設計に注力。

導入 — なぜ化学プラントの排水配管は難しいのか

化学プラントの排水は液性(pH)、温度、含有成分(塩分・溶媒・重金属等)が複雑で、同一プラント内でもラインごとに特性が異なります。これらを正しく把握せずに材質を選ぶと、局所腐食や応力腐食割れなどのトラブルを招き、結果として設備停止や環境事故、法令違反につながります。したがって、配管更新では“現場性”を重視した設計と施工管理が最も重要です。

永和工業のアプローチ(調査 → 施工 → 保守)

永和工業は現地調査を第一とし、以下のサイクルでプロジェクトを推進します。 現地分析 → 材質選定(最適化) → 工場製作 → 現場施工(分割搬入) → 検査・試運転 → 長期保守。

材料と構造の最適化(SS+PVCライニング、FRP、SUSの使い分け)

代表的な材質と評価ポイントを整理します。

材質 長所 短所 / 注意点 適用例
SS+PVCライニング 高強度、コスト効率が高い 下地処理や溶着品質に依存 高圧配管で内面保護が必要なライン
FRP 優れた耐食性・軽量・成形性 接合は専門的、初期費用が高い 大口径・長寿命が要求される排水ライン
SUS(ステンレス) 耐食性・耐熱性に優れる 高価、溶接管理が厳格 高温、衛生領域

設計段階で重視した項目(化学プラント特有)

  • 液性スペクトル(pH、塩分、溶媒種、付加成分)に基づく素材選定
  • 洗浄導線とマンホール配置による保守性の担保
  • 勾配設計と自動フラッシング接続の導入検討
  • 分割搬入と現場結合作業による操業停止時間の最小化

施工プロセス(具体的な工程と品質管理)

当社が現場で実施した主要工程と、各工程での品質管理ポイントです。

  1. 現地調査と液性解析:サンプリングでpH・塩分・有機溶媒などを分析。
  2. ルート・支持設計:点検・清掃を考慮した勾配・支持を決定。
  3. 工場での高精度製作:溶接管理、寸法管理、受入検査を実施。
  4. 内面処理(サンドブラスト等):接着性を確保するための表面粗化と脱脂。
  5. PVCライニング施工:熱風溶着または接着工法で密着。シームは二重溶着で検査。
  6. 接合部の検査:ピンホール検査・気密試験・水圧試験を段階的に実施。
  7. 段階運転復帰:分割テストで安全を確認しつつ稼働へ移行。
重要:ライニングの密着性は下地処理(サンドブラストの品質、脱脂)に左右されます。ここを疎かにすると早期剥離やピンホールの原因になります。

事例(当該化学プラント案件) — 課題・対策・効果(定量)

課題

酸性排水を流す既設鋼管が局所腐食を起こし、補修が頻繁。生産停止と保守費用が増大していた。

対策(永和工業の提案)

  • 高温が予想される箇所はSUSで置換。
  • 洗浄導線・マンホールの追加で日常保守を容易化。
  • 分割搬入方式で操業停止時間を最小化。

導入効果(運用12か月の集計)

  • 補修回数:年間 3 回 → 1 回(約 66% 減)
  • 年間稼働停止時間:120 時間 → 30 時間(約 75% 改善)
  • 年間保守コスト:材料・工数で約 40% 削減
  • 環境監査での指摘:複数 → 0(継続監視中)

品質管理(検査項目)

施工品質を担保するため、下記の検査を標準実施しました。

  • 下地表面粗さ測定(Ra値の管理)
  • 溶着温度と時間のログ記録
  • ピンホール検査(真空法/水浸法)
  • 接着強度試験(必要箇所)
  • 水圧・気密試験の合格確認

環境対応とSDGsへの寄与

永和工業は施工時の廃材削減、再利用可能部材の採用、長寿命化による交換頻度低下によってCO₂排出削減に貢献します。改修プロジェクトでは廃材を分別・リサイクルし、環境報告書(CO₂削減量の試算含む)をクライアントに提供しています。詳しい取り組みは SDGsの取組み をご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q:SS+PVCライニングの耐用年数は?

A:使用環境に依存しますが、適切な下地処理と定期保守で10年以上の耐用が期待できます。高温や特殊薬液がある場合は別材料を推奨します。

Q:緊急時の漏洩対応は可能ですか?

A:はい。北九州拠点のため迅速な現地対応が可能です。まずは仮補修を行い、安全を確保したうえで恒久対策をご提案します。お問い合わせは こちら

化学プラントの排水配管改修・耐食化のご相談は永和工業へ(設計〜施工〜保守)
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※具体的な仕様・見積りは現地調査のうえ提案します。