モーターとカップリング芯出し教育|永和工業株式会社2025.08.25

モーターとカップリングの芯出し教育 | 永和工業株式会社

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モーターとカップリングの芯出し教育

モーターとカップリングの芯出し(アライメント)は、機械設備の効率・寿命・安全性を大きく左右する重要な作業です。芯出し教育では、単に測定や調整手順を学ぶだけでなく、機械の運転原理や振動・摩耗のメカニズム、トラブル予防の知識まで包括的に学ぶことができます。

モーターとカップリングの設置例

1. 芯出し(アライメント)とは

芯出しとは、モーターとカップリング、または駆動軸同士の回転中心を正確に合わせる作業です。正確な芯出しは振動の抑制、軸受けの寿命延長、ベルト・カップリングの摩耗防止、機械全体の効率向上に直結します。

心出しの概念図

1-1. 直列アライメントと角度アライメント

芯出しには主に2種類があります。直列アライメントは軸の平行ずれを修正する作業で、角度アライメントは軸の傾きを修正する作業です。両方の精度が高いほど、振動や軸受けの負荷は低減されます。

平行ずれと角度ずれの例

1-2. 芯出しの重要性

  • 軸受け寿命の延長によるメンテナンスコスト削減
  • カップリングやベルトの摩耗防止で交換頻度低減
  • 振動・騒音の低減で作業環境改善
  • エネルギー効率向上で消費電力削減
  • 設備トラブルの予防で生産停止リスク低減
心出し作業の様子

2. 芯出しに必要な工具と測定器

  • ダイヤルゲージ:軸のずれ量を精密に測定可能
  • 直角定規・スケール:簡易測定や目視確認に使用
  • レーザーアライメント装置:高精度で効率的な測定が可能
  • トルクレンチ:ボルトの締め付け確認用
  • 安全保護具:手袋・安全靴などの個人防護具

3. 芯出しの測定手順

  1. 軸を手動で回転させ、ダイヤルゲージで縦横方向のずれを測定。
  2. 測定値を記録し、平行ずれ・角度ずれを確認。
  3. 必要に応じてモーターを微調整して再測定。
  4. 規定値以内になれば測定完了。
  5. 作業記録を保存し、次回保守に備える。
ダイヤルゲージ測定例

3-1. 測定のポイント

  • 温度差がない状態で測定する
  • 軸は停止状態で測定する
  • ダイヤルゲージのゼロ点を正確に設定する

4. 芯出しの調整方法

  1. モーターまたは駆動装置のボルトを緩める
  2. 平行ずれを微調整
  3. 角度ずれを微調整
  4. 再測定して規定値以内を確認
  5. ボルトを規定トルクで締め付ける
軸調整の詳細 調整の追加例 作業手順補足

5. 実務ケーススタディ

現場での実例として、測定や調整の違いが設備寿命やトラブル発生に大きく影響することがわかっています。

実務ケーススタディ例
  • 測定誤差による軸受け早期損耗
  • レーザーアライメントでの精密調整により振動減少
  • 平行ずれ放置によるカップリング破損

6. 芯出し教育のカリキュラム例

座学と実技を組み合わせた教育プログラムです。

教育カリキュラム
  • 座学:芯出し理論、振動・摩耗の影響、測定理論
  • 実技:ダイヤルゲージ・レーザーアライメント演習
  • 調整演習:実際のモーターで微調整
  • 安全教育:保護具使用・事故防止
  • 評価:測定値報告と指導確認

7. よくある質問(FAQ)

Q1: レーザーよりダイヤルゲージを使う場合は?

A: 簡易測定の場合はダイヤルゲージでも可能。ただし精度はレーザーに劣るため重要部は併用推奨。

FAQ関連画像

Q2: 許容誤差はどの程度?

A: モーターやカップリングによるが、一般的には0.05〜0.1mm以内。

Q3: 作業時間はどれくらい?

A: 経験者で1台あたり30分〜1時間。教育では測定・調整・記録まで数時間かかる場合も。

8. まとめ

芯出しは設備の寿命・安全性・生産効率に直結します。正しい測定、調整、安全管理の知識を習得することが重要です。永和工業株式会社では座学と実技を組み合わせた教育プログラムを提供し、現場で即戦力となる技術者の育成をサポートしています。

まとめイメージ